BOSEスピーカーは爪とぎ用?

BOSEスピーカーは爪とぎ用?

BOSEスピーカーは爪とぎ用?

 


いい音出してたなぁ・・・

 

オーディオが趣味の家主

 

家主はオーディオがダイスキである。

 

その好きぶりも呆れたのもで例えば2000年一年で買った例をあげると
VCR2台、DVDプレーヤー、アンプ2台、SONYvega29インチ、
46インチプロジェークションTV、ホームシアタースピーカーなどだ。
ちなみにウチは決してお金持ちではない。

 

どこから捻出しているのか、金銭に一切関っていない私には分からないのだが、
毎日の生活は出来ているので、よしとすることにしている。

 

 

 

そんな彼の結婚前からの私物で、自慢の品がBOSE901と言うスピーカーである。

 

 

彼は事のほかこのスピーカーがお気に入りのようで、
恋人時代、部屋に遊びに行くたびに「ちょっと聞いてよ。」と
ボンジョビやエアロスミスをこれでもかと大音量で聞かされたものだ。

 

 

私はなんだかよく分からないウンチクを耳にタコが出来るほど聞かされ続けているが、
未だにどういった物か分かってないが、とにかく音がいいことはいい。

 

 

当時ワンセットで$1000ドルで購入したと言うこの代物を彼は2ペア所有していた。
(当時ワンセット¥440.000だそうだ!?)
※家主が売ってしまってから分かったのが、このスピーカーには2024年現在プレミアがついている(泣)

 

 

実はこのスピーカー、前と後ろのカバーがなんともまぁ、猫の爪磨ぎ様に作られたのではいか?
と思えるほど、イイカンジなのである。

 

網目が小さすぎず太すぎず、ちと複雑な編み込みになっていて、
さらにスタンドに置いたときの高さがにゃんにゃんがノビノビしたときに
ほんとうに丁度言い具合の高さになのだ。

 

ある日スピーカーの裏を見てみると・・・

 

その絶好の爪砥ぎ場をにゃんにゃんが逃すだろうか?いや逃すはずがない。

 

彼を飼い始めてすでに4ヶ月ほどが経っていたある日、私はお掃除していて
スピーカーのカバーからピロピロ~~ッと糸が出てきているのを見つけてしまった。

 

 

 

「ウッソォ~~~~・・・・」

 

 

 

私の頭の中では顔を真っ赤にして激怒している家主の顔が、ミラーボールのように
くるくる回り始めていた。

 

これは絶対ヤバい、やばすぎるのである。

 

彼がこのスピーカーをどれほど気に入っているか知っているし、
自分だってお気に入りのものをこんなことされればすぐにキレてしまうに違いない。
しかもこのお値段である。

 

 

恐る恐る他の3本も見てみると・・・
ガーン・・・。案の定やっぱりやられていた。

 

 

「にゃんにゃーん!なんてことうぉー!」

 

 

 

頭ごなしに怒鳴った所でどうにもならないのである。

 

彼はポカーン。と悩殺ポーズ(前足揃えちょこんと座り)でこちらを見ていた。

 

うぅ、家主が気づく前になんとかしなきゃ。

 

私は編物棒でせっせこせっせこ飛び出した糸を突っ込んで
なんとか元のような感じに繕ってみた。

 

 

しかしにゃんにゃんは深夜私達が寝静まった後でガリガリやっていたので、
繕った所は次の朝にはまたピロロ~ンと糸が飛び出している。

 

完全にイタチごっこだ。

 

 

ガリガリ・・・「コラー!にゃんにゃん!」・・・せっこせっこ・・・ガリガリ・・・

 

 

こんな日々がどれほど続いただろうか、
ある日私は忙しさのため「せっせこ」の部分を飛ばしてしまった。

 

ついにその日はやって来た

 

そして恐れていた日はついにやって来たのである。

 

「oh!No!こいつボクのスピーカーで爪砥いでるぅぅっぅぅぅぅ!」

 

この後の激怒ぶりは割愛することにします・・・・

 

 

この事件から6年後、かのBOSE901スピーカーは見るも無残な姿を
さらけ出すことになってしまったのだ。

 

 

 

現在はそのあまりのオンボロぶりに見かねた私が100円ショップで買った黒のはぎれを
カバーの隙間にヘラで押し込んで、なんとか見れるようにしているのだが・・。

 

 

ところで余談だけど、このBOSEと言うメーカーの太っ腹ぶりには
家主共々大変感動してしまった。

 

なぜなら、このボロボロになったカバーを買い換え様とメーカーへ問い合わせした所、
なんと前後とも「タダ」で送ってくれたのだ!!!もちろん送料もタダ。
すごい!なんというカスタマーサービスの良さだろう。

 

老舗メーカーのプライドを見せつけられたような気がしました。
BOSEさん、ありがとう。大切にしますね。