けんか中のにゃんにゃんを鷲掴みにして、
思いっきり噛まれた話の続きです
その後、家主はその傷を自分で手当てし、気を取り直してカウチでビールを飲んでいた。
彼はビールのアルコールで体内消毒でもしていたつもりなのだろうか、
腕の傷は結構うずいていたらしいがそのまま飲みつづけていたと言う。
そして数時間後・・・・傷は真っ赤になり熱を持ち始め、
まるでポパイの腕のように腫れあがってきたのだ!
さすがの家主も「これはヤバイ。」と思ったらしく
救急病院へハイヤーを飛ばして駆けこんでいった。
この腕の腫れ様に本人も慌てたが、それを見た病院側もえらく驚いたらしい。
猫に噛まれた、と伝えると「どんな猫や?」ともっと驚れ、
看護婦さんたちもよってたかって見に来たそうである。
狂犬病の注射はしていたのは幸いであったが、それにしてもひどく腫れあがっていたので
相当なことには我慢できるはずの軍人の家主でも
「泣きたかった。」
と言うくらい痛い注射をお尻に2本打たれてしまった。
そしてドクターの診断は「ちょっと入院してください」。
そうは言われても猫はいるし、家族も帰国中だし、それは出来ないというと
では帰っていいから、とにかく大人しくしておいてください。もちろんお酒はだめですよ。
と念を押され、包帯で腕をぐるぐる巻きにされた彼は、とぼとぼとウチへ帰ていった。
ビールに文句をタラタラ言う鬼もいないのに大好きなビールも飲めない
寂しい夜を過ごしたのであった。
その5日後、加害猫にゃんにゃんの元へ過酷な運命が舞い降りてきた。
病院からの通報で基地内の動物病院から連絡があり、
ハウジングの規約で、人に危害を与えたペットは狂犬病の発病が考えられる期間内をアニマルシェルターで過ごさなければならないというのである!!
今回の件での、にゃんにゃんの留置は10日間。
片腕しか動かせず、運転など無理なはずなのに、噛まれたことに激怒していた家主は
連絡を受けた後にゃんにゃんをさっさとアニマルシェルターへ連れていってしまった。
しょうがないけど、可哀相に・・・・・
とここまでが家主の報告であったが、この後心温まるお話が待っていた。
加害猫にゃんにゃんの留置は当初10日間といわれていたのだが、
1日、2日と経つうちに家主の怒りが溶けはじめ、
なんと5日目にはシェルターへ迎えに行ってくれたのだ!!
うぅ、なんとココロの広いヤツであろうか。
(シェルターに連れていかれた時すでに事件発生後から5日が経過していたこともあったけど!)
シェルターで家主の姿を見つけたにゃんにゃんは思いっきり猫なで声で
「ごめんにゃぁ~~~~ん・・・」とは言いませんが(笑)
そんな感じで家主に甘えてきたらしい。
思うに家主もまんざらではなかったのではなかろうか。
まぁ、こうして色々出来事を重ねていくうちに彼らは、
まさに血を分けた兄弟よろしく、
離れられない仲になっていったのであった。